回復するの?

■遷延性意識障害者でも回復することが

交通事故などで脳に障害を負い、遷延性意識障害となってしまった場合には、「もう2度と元には戻らない。」と家族は悲観的になってしまうことが多くあります。

 

遷延性意識障害は回復が難しい症状であるのは否定できませんが、全く可能性がないと言うわけではありません。

著名人ではF1レーサーであったミハエル・シューマッハ氏はスキー事故により遷延性意識障害になりましたが、約1年後には自宅に戻りリハビリをしています。

日本でも料理研究家のケンタロウ氏は、3年前にバイク事故で脳に大きな障害を負い遷延性意識障害となりましたが、リハビリを繰り返し足がわずかながらに動き、母親の1周忌にも車いすで出席したと先日報道がありました。

 

「遷延性意識障害」でブログを検索すると、遷延性意識障害の家族をもつブロガーの多くは、希望を持ってリハビリに励んでいるのが分かります。

 

■回復は停滞・一進一退を覚悟

ですが、遷延性意識障害はいきなりよくなるわけではありません。

いくらリハビリしても、回復の兆しが見られない時もあるでしょう。

昨日はわずかに指が動いたようだったのに、今日はピクリとも動かないこともあるでしょう。

 

毎日「一喜一憂」していると精神的に持たないため、出来たことを素直に喜び、出来なかったとしても冷静にいられるようにすることが肝心です。

 

でも、介護している側もずっと心を強く持てるわけではありません。

時には、不安で泣きたくなったり、いらだちから起こりたくなる時もあると思います。

そんな時は、遷延性意識障害の家族の会や、遷延性意識障害に詳しい弁護士など、相談できる人はたくさんいるので、孤立せずドンドン相談したほうがきっとリハビリもうまくいくはずです。

 

■他人と比べない 多くは一度に望まない

遷延性意識障害の患者の中には、目の動きによる透明な五十音ボードによる意思の疎通や、指先のわずかな動きでパソコンを操作したり、指談で話をする方もいらっしゃいます。

 

そのため、「目がきょろきょろ動いていることがあるから、透明ボードで会話できるかもしれない」、「息子も指を動かすことができるから、パソコンの操作ができるかもしれない」と、思われる方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん、多様性を持って可能性を探っていくことは、遷延性意識障害の患者のみならず家族にもよいことだと言えます。

 

ですが、過度に期待して出来なかったときにがっかりとしてしまうことは、良くないといえます。

今日はできなくても1か月後には出来るかもしれませんし、パソコンの操作は苦手でも、まばたきで意思疎通するのはうまくできると言うこともあります。

他人と比較するのではなく、昨日や1週間前・1か月前と比べて、少しでも良くなったことがあれば、それに目を向けるようにしましょう。

 

■相談できる先や心の避難先を作っておく

遷延性意識障害の患者家族は、社会からの孤立感や家の中で介護をする孤独感、将来に対する不安感などを抱きやすい傾向があります。

 

そのため、遷延性意識障害の患者のことについて医師やケースワーカーに相談することも大切ですが、介護患者自身の相談をできる先を見つけておくことも必要です。

相談先は患者の担当医師やケースワーカーでもよいですし、心療内科の診察を受けたり、心理カウンセラーに相談したりすることができます。

インターネットでは、遷延性意識障害の患者家族専用のサイトもありますし、匿名で電話での悩み相談をしているところもあるので、利用しなくても「もし、相談したくなったら、相談できるところがある」と思えるだけで、気持ちが楽になると思います。

 

また、遷延性意識障害の患者家族の中には、患者の横でできる手芸や絵画などを新たな趣味としてはじめ、個展を開けるほどの腕前になった方もいます。

ですので、家の中でも心の避難先を作ることが出来れば、少しでも介護に対して前向きに向き合うことができます。

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