治療する方法

医学の進歩は日進月歩と言われてはいますが、脳に関してはまだまだ未知なところが大きいです。

現状、遷延性意識障害の治療は、積極的に治療するというよりも、現状維持を目的としていることが多いです。

それでは、遷延性意識障害の治療としてどのようなものがあるのかを挙げていきたいと思います。

 

肺合併症の予防

意識障害があると、痰や唾液を誤嚥(ごえん)しやすく、誤嚥性肺炎になりやすいといえます。

痰が発生した場合には、吸入・吸引・タッピングによって口腔内から痰を排除しなければなりません。

また経口摂取の訓練をすること、口腔内を清潔に保つこと、肺理学療法による肺の再膨張(腹式呼吸)なども大切だとされています。

 

褥創(床ずれ)の予防

自身で身体を動かすことができないので、2時間ごとの体位変換が必要となります。

なぜ体位変換が必要かと言うと、皮膚潰瘍ができるからです。

それは、身体を動かさなければ身体を支えるポイントが変わらないので、圧迫されていた部位の血流が悪くなることにより起こります。

また体位変換は、内臓機能を正常に保つことや循環障害、肺炎の予防などにも効果があるため重要とされています。

 

関節拘縮の予防

関節の拘縮(関節が固まり、動かなくなること)・変形は、時間の経過とともに増強するので、早期からの予防に努めることが重要です。遷延性意識障害などにより身体を動かせない状態になった時、積極的に動かしていない部分を他者が動かすこと(他動運動)を施行します。

 

以上のように、遷延性意識障害の治療は、日頃からの予防というものが大部分で、看護(ナーシング)の重要性が考えられます。この他にも、睡眠覚醒のリズムの確立、1日あるいは四季の変化を感じさせること、患者の反応や変化を見逃さないといった看護方針が掲げられていることが多いようです。

 

鍼やマッサージによる治療

積極的な治療の一例として、鍼治療やマッサージによる治療があります。

 

リハビリは関節の拘縮や変形を防いだり、筋肉の維持や萎縮を防いだりすることを目的としていますが、鍼治療やマッサージは一般的な西洋医学とはアプローチが違います。

鍼治療は東洋医学に基づいて考えられているため、体の中を走る経絡と俗にツボと呼ばれる経穴を重要視しています。

 

東洋医学では、一見関係のない部位に鍼やマッサージをすることがあります。

肩こりの症状を訴えているにもかかわらず、親指と人差し指の間をマッサージしたり、ひじに鍼を施すと言った例です。

これは、肩と手やひじの経穴が経絡を通して繋がっていて、ここに刺激を加えることで肩こりを改善しています。

 

西洋医学的に見ても神経に鍼による刺激を与えることで、遷延性意識障害の患者であっても効果があることがあるとの研究報告もあります。

 

電気刺激による治療

もう一段階上の治療として、電気刺激による治療があります。

損傷した脊髄や脳に電気を流すことにより刺激を与え、回復を促すと言うものです。

 

電気刺激による治療自体は、難治性で慢性的な痛みを抱える患者さんの痛痒の軽減として、古くからあるものです。

そのため、遷延性意識障害の患者に対してどれだけの効果があるかは未知数な部分がありますが、日本でも1000以上の治療例があり、遷延性意識障害になって直ぐや患者の年齢が若いほど、効果が出やすいとの報告があります。

 

しかし、電気刺激による治療は全身麻酔により専用の医療器具を体に埋め込まねばならず、麻酔の危険性と器具を埋め込むことによる感染症の危険性があります。

また、遷延性意識障害の回復を目的とした電気刺激による治療は、現在の保険制度では保険適用外であるため、手術や器具の費用に200万円以上がかかり、また入院費用やランニングコストなども必要となるため、ハードルが高いものになっています。

 

香川・高松で、遷延性意識障害でお悩みの方は、是非、当弁護士までご相談ください。

 

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