介護の現状と仕方

現行の保険診療点数制度では、香川・高松でも遷延性意識障害患者は転院を促され、病院を転々とせざるをえないことがほとんどです。

また、リハビリ主体の長期療養型病院はほとんどないのが現状です。

そのためご家族はやむを得ず、自宅での介護を決意することが多いと伺います。

ご家族の方が暗中模索ながらの介護をしているという現状があります。

このページでは、在宅介護でご家族の方は何をすればよいのか分かりやすくご説明致します。

 

家屋の改造

現在、お住まいの家屋は、手を加えなければ、車いすに対応することが難しい状態であることがほとんどでしょう。

そのため、在宅介護のために家屋の改造が必要となります。

例えば、床を考える際にも一般のフローリングではなく、車いすの移動にも耐えられる耐久性の強い床を必要とします。

また、段差にはスロープを設置し、2階に上がる必要があるなら昇降機など住宅の間取りに合わせた改造を行なわなければなりません。

 

このような改造を行なう場合、業者に依頼する必要があります。

しかし、細かい指定をしなければ、重度意識障害患者に合わせた家屋改造に対応できない業者がほとんどだそうです。

そのため、理学療法士や作業療法士など要介護者の身体機能に精通した専門家を交えて、住宅改造計画を立案することが大切かと思われます。

近年では、介護設備を専門に扱う業者もあり、一度お見積りされてもよいかと思います。

 

要介護者にとって安全なだけでなく、一緒に暮らすご家族にとって介護しやすく住みよい家造りを考えましょう。

 

痰の吸引と口腔ケア

在宅介護で一番重要なのは痰の吸引だと言われています。

入院から在宅介護にかわる場合、医師や看護師から吸引のケアについての指導を受けることができると思います。

痰の吸引は医療行為になるので、一部の経験者を除いて介護従事者では行うことができませんので、ご家族の方がしなければなりません。

痰の吸引の他には、口腔ケアもしっかり行った方がよいです。

口腔ケアをすることによって、口内細菌が減り肺炎のリスクが減少します。

また、口腔を刺激することで、飲み込んだものを気管に入らないようにする喉頭蓋(こうとうがい)の動きが良くなるようです。

 

排泄のケア

在宅介護において、排泄のケアは避けては通れません。

遷延性意識障害の場合は自分でいきむことができないので、便秘になる方が多いようです。

ですので、基本的には下剤と摘便で処理することになります。

もちろん毎日排便することが望まれますが、排便に時間が掛かること、疲労や低血圧などを考えると3日に1回、少なくとも週に2回ほどは排便するようにしましょう。

排便の際には、肛門周辺をきれいに保ち、肛門周囲炎を予防しましょう。

また、排尿に関しては、おむつをすることになるでしょうが、尿路感染症(膀胱炎、尿道炎など)を予防するために、小まめなおむつ交換、陰部の清潔を保つなどを心掛けましょう。

 

褥瘡のケア

痰の吸引と並んで大変と言われるのが、褥瘡のケアです。

遷延性障害の場合寝たままの姿勢でいることが多いため、圧迫された部分で血行不良が起こり細胞の壊死が起こります。

これが褥瘡と呼ばれるものなのですが、これにはこまめな体位の変換が有効です。

ですが、40㎏程度の体重の患者でも体位替えはかなり大変で、これが体格の良い男性や肥満体の患者であると非力な女性では難しい場合もあります。

 

ベッドによっては上体を起こすだけでなく、体を左右に向ける機能が付いたものもありますので、ベッドの導入を考えている際には介護する人の体力のことも考えて選ぶようにしましょう。

 

入浴のケア

できるならばお風呂に入れてあげて、体をきれいにしてあげたいと望まれる患者家族の方もいらっしゃいますが、在宅介護で一番難しいのが自宅での入浴になります。

 

遷延性意識障害の患者が安全に入浴できる設備を整えようとすると、膨大な改装費用が掛かるだけでなく、お風呂だけでも3畳以上スペースが必要となり、また特殊な浴槽や設備が必要となるため、一般家庭では難しいと言えます。

 

訪問入浴サービスやデイサービスなどを上手に利用するのが、現実的と言えます。

 

室温・空調のケア

遷延性意識障害の患者さんは、自律神経に障害があることが多く、体温調整が自分では難しいため、介護者が気が付かない間に熱中症や低体温症となっている場合があります。

そのため、患者さんがいる部屋に関しては、年中一定の気温を保つことが理想的です。

エアコンなどで温度調整をするのは簡単でよいのですが、空気が乾燥しやすいため患者に痰ができやすく、また痰の粘度が高くなりやすいので、同時に加湿器を設置するとよいです。

 

また、花粉症などのアレルギーを持っておられた場合には、遷延性意識障害なので咳などの症状が出にくいかもしれませんが、鼻水や目の腫れなどのアレルギー症状が出ることもありますので、空気洗浄機や24時間換気システムなどが整った部屋を用意する必要があります。

 

このように在宅看護の方法には、枚挙に暇がありません。

分からないことがあれば、医師や看護師、介護従事者からアドバイスをもらうのがよいでしょう。

 

 

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