遷延性意識障害はどこまで回復するのか?

 遷延性意識障害になられた場合、一般に患者の回復の見込みはゼロに近いと言われていました。

しかし、正常な意識があり脳スキャナーによって思考の伝達が可能な植物状態の患者もいることが、ケンブリッジ大学のエードリアン・オーウェン博士により報告されています。

適正な治療や看護によって回復の可能性が見込まれるというのが最近の見解です。

 

遷延性意識障害はどこまで回復するのか

レベルは様々ですが、遷延性意識障害が改善される事例も増えてきました。

例えば、食事や車いすでの散歩、排泄を時間通りにできたりするようになったことが報告されています。

また、瞬きをするなど何らかのサインでコミュニケーションをとること、脳スキャナーによって「Yes or No」程度の質問であれば、思考の伝達が可能となった事例もあります。

このように完全に回復するとまではいきませんが、簡単な意志の疎通に至ることは少なくないようです。

 

ようやく意識障害の回復に向けて取り組まれるようになった

今までは、方法論が確立されていなかったため、遷延性意識障害患者を積極的に治療していくという研究や取り組みが少なかったとされています。

また、医師によって回復が困難だと判断されてしまうと、リハビリすら行われないことすらあったようです。

現在は、香川・高松でも独自に作成した看護プログラムなどによって成果を上げている病院があります。

この看護プログラムは4週間集中的に行うものです。

 

どうすれば意識が回復するか。このあたりのメカニズムについては、現代の医療をもってしても分からないそうです。

しかし、遷延性意識障害患者が回復するには、ご家族や介護者らの根気強い働きかけや患者様のわずかの変化も見逃さない観察力がカギを握るとされています。

ですから、諦めずに患者様の治療や看護を行ないましょう!

 

体の動きの回復の兆候?

では、遷延性意識障害の回復の兆候にはどういったものがあるのでしょうか?

 

「指先がわずかに動いた」「足を少しだけど揺すった」など、麻痺で全く体が動かない状態であったのにわずかでも身体が動くと、少しでも回復したのではないかと、過度に期待してしまうことがあります。

もちろん、身体が動くのは回復の兆候であることもあるのですが、痙攣によるものであることもあります。

 

遷延性意識障害で全身麻痺であると体は全く動かないと思われがちですが、神経の誤作動ともいえるものにより、痙攣が起こる場合があります。

そのため、下半身麻痺の患者で下半身に痙攣が起こると自分では抑えられないため、車いすから転落するような事故が起こったりします。

 

痙攣と自発的な動きとを見極めるには、YES・NOがはっきりとした質問をして、それに対応した動きがきちんとできるかを確認する必要があります。

 

回復による意思の疎通方法

回復の兆候が見られたのならば、患者との意思の疎通を図りたいと思うのは、自然な流れと言えます。

 

わずかな動きの違いから、YES・NOを伝える方法は良く取られており、重度の遷延性意識障害でもまばたきで意思を伝えている患者もいます。

 

また視線の動きから会話する、透明な板に五十音がかかれた透明文字盤と言うものが使われることがあります。

YES・NOだけでなく簡単な会話も可能であるため、意思の疎通の幅が大きく広がります。

 

それを進化させたものに、パソコンを使ったものもあります。

眼球の動きをカメラが読み取り、五十音表から注視した文字を入力していくものです。

現在、研究がかなり進められていて、実用化も目前と言われています。

身近なものでは、わずかな指の動きにも正しく反応して文字の入力が出来るマウスやタッチパッドが販売されています。

 

 

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