脊髄後索電気刺激療法とは

遷延性意識障害の治療のほとんどが、現状維持を図ることを目的としています。

しかし、一部の医療機関では、遷延性意識障害を持つ患者に対して様々な試みを行い、成果を上げている例もあります。

今回は積極的な治療法の一つである「脊髄後索電気刺激療法」について簡単に説明します。

 

電気刺激が治療に使われるようになった経緯

電気刺激を用いた有名な治療には、心臓のペースメーカーやパーキンソン病や不随意運動に対する脳深部刺激(DBS)などが挙げられます。

脊髄後索電気刺激療法は、脳卒中後の痙性麻痺に対して痙縮(筋肉が緊張しすぎて手足が動きにくくなったり、勝手に動いてしまったりする状態)など、慢性的な痛みを緩和させる目的で始まったそうです。

しかし、患者様の表情が豊かになったり、覚醒状態が改善したりすることが度々見受けられ、遷延性意識障害などの慢性期重症意識障害に応用されました。

現在では、いくつかの医療機関で手術を受けることができます。

 

脊髄後索電気刺激療法の仕組み

簡単に説明すると、首の骨の中に電極を埋め込んで、体内に埋め込まれた電源から弱い電流を流して脳を刺激するという治療法です。

この療法によって、泣いたり笑ったりすることができるようになったり、過緊張や異常発汗がやわらいだり、女性の場合ですと、生理が来るようになった、という目に見える変化があったことが報告されています。

また、スイッチを入れると、電気刺激で目が覚めるので、1日の生活リズムを操作することができます。

5年10年と電気刺激療法を続けていれば、意識レベルにも変化があるのではないかと期待されます。

 

手術の費用について

この治療法は保険が効かないため、自由診療となり多額の費用が掛かってしまいます。

医療機関によって治療費等は異なってくるので、一概には言えませんが、2か月の入院で500万円ほど掛かるようです。

これには、体内に埋め込む機器の費用(約150万円)や術後の薬、リハビリの費用が含まれています。

また、手術できる医療機関が限られていることから、患者の移送費、付き添いの家族の交通費や滞在費など、更に多くの費用が掛かるでしょう。

ですので、まだ身近な治療法とは言えないところがあります。

 

脊髄後索電気刺激療法を行っている医療機関

脊髄後索電気刺激療法は高度医療に分類されているため、都市部の大病院や大学付属病院で行われていますが、その数は日本全体でも50軒に満たないのではないかと思われます。

そのため、地方の総合病院クラスでは脊髄後索電気刺激療法を行っていないだけでなく、医師によっては脊髄後索電気刺激療法という言葉自体を知らないという場合もあります。

 

また、脊髄後索電気刺激療法を行っている病院であっても、患者の体力や病状などを診断してから、脊髄後索電気刺激療法が最適であるのか判断されますので、患者家族が望んでも受けられない可能性もあります。

もし、脊髄後索電気刺激療法を行ってくれる医療機関が遠方である場合には、入院費用だけでなく患者の輸送や付添人の滞在費用など多くの問題をはらんでいるため、簡単に決めることができない現実があります。

 

脊髄後索電気刺激療法のデメリット

脊髄後索電気刺激療法のデメリットとして挙げられるのが、上記にもあるように高額な費用です。

手術費用が自費であるためか、脊髄後索電気刺激療法は日本全体で年間140件程度の実施しかなく、マイナーな治療法であるとも言えます。

それゆえ、手術後に自宅に戻ったとしても、近くに病院では脊髄後索電気刺激療法の知識がないため適切なケアが受けられず、遠方であっても定期的に手術を行った病院に問わなければいけない場合もあります。

 

また、脊髄後索電気刺激療法を行う上で手術は避けて通れません。

麻酔過多や手術の失敗などの医療事故が発生しないとも限りませんし、術後の療養中の感染症の危険性などの問題もあります。

 

脊髄後索電気刺激療法を検討しているのならば、こういったデメリットがあることも知っておく必要があります。

 

遷延性意識障害でお悩みの方は、香川・高松の当弁護士までご相談ください。

フリーダイヤリでご相談受け付けております。

 

【合わせてお読みいただくとお役に立つ情報】

半年程度で退院させられてしまう、その現状とは?

ご本人への休業損害

 

無料相談

ページの先頭へ