設備の整わない施設に入所を勧めた保険会社に不信感を抱き弁護士に相談した
■交通事故で遷延性意識障害になった娘を設備の整った施設に入所させたい
介護施設の設備の違いや職員の人数や質など、これまで一度も気にしたことがありませんでした。
しかし、社会人になったばかりの娘が交通事故でトラックにはねられて遷延性意識障害を発症してからは、一転して介護について考えない日は訪れなくなりました。
日本の医療に関する行政で、遷延性意識障害患者はエアポケットに入ったように行きどころがないことを知り、まず憤りを覚えました。
受傷直後はICUで治療を受けましたが、やがて症状が落ち着いたら一般病棟に移りました。
これは、緊急の患者さんのためにベッドを空ける必要があるので当然だと思いますが、3カ月経ったら転院、もしくは自宅に戻るというシステムは、遷延性意識障害にはまったくそぐわないと思います。
受け入れ態勢がなければ自宅には帰れないし、転院しなさいと言われても、近くに良い病院がなければ自宅から遠い病院を選ばざるを得ません。
とりあえず、病院の紹介で3カ月後に転院しましたが、また3カ月経てば転院を繰り返すことになるから、遷延性意識障害患者をきちんとケアできる介護施設に入所させたいというのが家族の一致した意見でした。
■保険会社が紹介してくれた施設は遷延性意識障害患者の入所には向いていなかった
保険会社は、親切にも、遷延性意識障害の人を受け入れてくれる施設の一覧を私にくれました。
しかし、実際に見学に行って私は失望しました。
一か所は、入所している人は、認知症のお年寄りがほとんどなのです。
他の施設は、年はとっているが健康なお年寄りが暮らしていて、施設内のバリアフリー対策が不十分でした。
保険会社は、受け入れ費用を少しでも安くしようと、遷延性意識障害患者ということを無視して施設をピックアップしたのではないでしょうか?
私は、このような施設に娘を入所させるわけにはいかないと、香川・高松の弁護士にも助言を求めて、独自に評判の良い介護施設を探しました。
その結果、遷延性意識障害をはじめとする重度の機能障害がある患者を受け入れる施設を見つけることができ、施設利用料を含めた損害賠償請求を起こしました。
弁護士が、保険会社がピックアップした施設では私の娘の介護を十分にできないことを、証拠写真や資料を添えて裁判で述べました。
その結果、私が選んだ施設で介護を受ける費用を賠償金に含めることが認められたのです。
弁護士を味方につけ、保険会社の言いなりにならずに戦ったことが良い結果を生んだと思います。
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